梨の新芽が赤銅色に光る

梨は新世紀を植えたはずだった

何十年かが経過しているが

この実を食べたことは只の一度もない

実にありつけなかったのは

木を大切にしなかったことの表れだと

思っている

だが梨の木には毎年見事な花を

咲かせてくれる

それが嬉しいのだ

蕾の粒が鈴のように早春の冷たい風の中で

凛と生きずきやがて真っ白な花を

開いてくれる

真っ白な花は1輪又1輪と花開き

その枝は見事な枝になる

その枝を切り取ると既に

見事な生け花の素材になっている

実はなくてもいい

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