青木の枝の線が柔らかに伸びるのと直進してシャ-プな線があり
時にユ-モラスに見えたり明確な線に見えたりする
枝の先端は柔らかで鋏でよく切れるがその下になると
柔らかそうでも固い
はさみを入れると苦い匂いがするが決して嫌な臭いではない
若い植物の生の匂いで誰もが経験済みの匂いだ
八つ手と共にこれから取り組んだら面白いテ-マだと思う
若いころは直線に大変興味があったがその後は
曲線の無限な広がりを面白く感じるようになった
その時その場と言うが人の視点の移ろいによって
円く見えたり無彩色でもよく見せたりするものだと
想ったりする
青木の話ですが秋から冬にかけて青い実を付け
それが次第に色を付けて真っ赤になって完成する
青木の実は小鳥が食べるようですが人間にとっては
旨いものではない あまりに水水しくうまそうに見えるが
旨くない
私は子供の頃これは旨そうだと一粒食べてみて反射的に吐き出した
苦いのだ あまりにも苦さが強い
大人になってから花のために青木を切るようになって
この木の苦い匂いはこの植物の持つ特異な匂いだとわかった
相当の期間青を切ることはなくなったが
最近ふとしたことから山際でこの木に出会って
その先端の枝を持ってみると
プ-ンと特異な匂いがして一度にこの木全体のことを思い出した
よしよし私は持っていた鋸で何本か切り取り持ち帰った
青木の匂いは家屋全体に広がり 何故だか
この木と取り組んでみようと極自然に思った