雪が降った

1年に一度降るか降らないかの雪

朝窓を開け雪景色を見て大人も喜ぶ

雪国の人には申し訳ないが こちらでは

たまに降る雪に対して懐かしみさえ感じている

寒くても身支度して庭に降りて 雪に触ってみる

ポリアンタを植えた鉢に雪が乗っている

さぞかし花はさむかろう

別の窓から裏手を見る

やはり降っている

身支度して外に出る

僅かに積もった雪に触ってみる

冷たい

外の通りに車が一台通りすぎる

車は通れるのだ

ほっと安心する

昨日切った椿の幹にも雪が白い

雪を払ってだきかかえた

椿の幹や枝は白くて綺麗だ

ついてる葉を全て落とした

椿を生けるのは難しい

ですが周りは椿ばかりだから

下手くそでもいけてみたくなる

蒼風先生の作品 及び草月講師の作品を見ると

椿が一層美しく見えてくる

そんな時 椿の傍を通り抜けて

ふと立ち止まりその木を見上げる

風もないのに赤い花がぽたりと落ちてくることがあった

山頭火が「傘にぽったり椿だった」と

椿には心があるように思える

椿に精霊が宿り

そこを通る旅人の足を止めると言う

旅人は椿ノ木によりかかり

其のまま眠った話も聞いた

又夜には椿の幹がほんのり白くて

驚いて引き返した若者は

何物かが突っ立っていてその傍を抜けようとしても

足が重くて引き返した

あくる朝そこに行ってみたが

椿が一本立っているだけ

何も変わったことないとのこと

椿の精霊の仕業と聞く

椿にまつわる怪しい話はいたるところで語られる

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