12月初旬に椿の花の開花に気づいた
冷たい午前中のことだ
庭の椿の林を通り過ぎたころ深紅の花弁が光を浴びて輝いている
「おやおや、、、今年も咲いてくれたね、、」
私は花に近づきながら呟いた
深紅の花弁の中に黄金色の雄蕊が新鮮です
それから晴天が続き日増しに開花が進んだ
花を生けるといつもながらのこと気持ちが落ち着き穏やかな心境になります 生け花の功徳ともいうべきですね
もっとも枝や葉付を吟味したり枝をためたりするときには
その一点に集中するためでしょう この緊張感がとてもいい気持を醸し出してくれるのかと思います
椿を切った後 離れの庭にレンギョウの黄色が見えたので
それも切ってみた 数本切れましたが よく見ると蕾をつけた枝が
無数に立っている 来春の開花を待っている状態です
花の世界も四季折々に移り変わりそのシ-ズンに咲いてくれる花が
生き生きとした感動を与えてくれます
ですが今咲き始めた椿は年末から春まで咲きに咲いてくれます
地元の詩人が「はいてもはいても真っ赤に染まる道、、、」とうたわれましたが この里は椿の林が多く昔は椿油を当地で絞っていたようです
林の下が真っ赤に染まるほど花が落ちていました
春先には積み重なったその椿の花に日が差して生暖かい空気がうきたっていました 傍を通り抜けるとき甘酸っぱい腐敗の匂いが漂います
その頃はメジロの群れが花の蜜に寄ってきていましたが
最近はそんな光景が少なくなりましたね