70年昔の出来事です

終戦直前です 我が家の下の入り江の海に

アメリカの戦闘機が火を噴きながら落ちてきました

辺りはたちまち大騒ぎになりました

消防団の険しいサイレンが響き私も海に降りていきました

既に漕ぎ船が救助して岸辺にアメリカ兵を下ろしたところでした

アメリカ兵は背が高く取り巻いた日本人は小さく見えます

勿論びしょ濡れの軍服の肩のあたりから真っ赤な血が多量に

流れ出していました

そこに日本の軍隊数人が肩を怒らせてアメリカ兵の前に

たちはたがります 

どうなるのか取り巻いた村人たちは息をのみ 今は無抵抗の

彼の身の上を察していました

彼は手ぶり身振りで盛んに喋っています

恐らく「こうなったら私の負けだ 許してほしい」と

一生懸命に懇願しているように見えた

すると軍隊の上官らしい一人が 行き成りアメリカ兵に

強烈なパンチを浴びせた

アメリカ兵はその場に倒れた

周囲からため息が漏れた

他の軍人が彼をロープで縛り足蹴りして「あるげ」といった

軍人に従ってアメリカ兵は力なく歩いて

軍隊駐屯舎に向かった

そこではどんなことになるのだろうと私は子供ながらに

アメリカ兵のことを案じた

彼は20歳過ぎの未だ若い青年だろう

無傷のまま生還すれば幸せなアメリカ人の暮らしが

待っていた筈

一撃を見舞った上官は[こやつ、、、」と日本人を代表して

殴ったのか 村人たちの前で軍隊の威厳を見せたのか

いずれにしても あの時の哀れなアメリカの若者の姿が

可哀想でならなかった その後私はこのことが頭から

離れなかった

人それぞれの意見があった

当然だ あの一撃はしてやったりだ もっとやってほしかった

日本は負け戦で 広島 長崎の原爆攻撃の寸前であった

そういえば今日は広島原爆投下の記念日だる

戦争は大悪である 戦争を二度としてはならない

日本の不戦の決意は危ぶくなりつつある

日本は自国防衛のためだけの自衛隊があればいいと思う

他国から攻められたらそれだけでは防衛すら不能だという

軍事攻撃には軍事で応戦するとなれば その軍事費の

予算は莫大になり 恐らく民事予算は圧迫されつづけることだろう

だから力対力では解決葉出来ない筈だから

戦争を放棄して軍事費をすべて他国に対する平和予算に向ければいいと思う

例えば代議士がそれぞれリ-ダ-になって平和使節団又は文化使節団として

諸外国を絶えず訪問すること あらゆる分野において日本の技術や

文化を提供したらいい

それを毎年繰り返せば 不戦無防備の日本を侵略などありえないだろう

それより日本の平和精神 文化芸能の高い日本をたいせつにしてくれる

筈だ

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