青い竹に万年青は相性がいい

既に十数年生け続けていますが毎年新鮮な気分でいけられます

年末の私の受け持ちの生けこみでこの仕事終わればほっとして

新年を迎える気分になります

 

「万年青」と書いておもとと読みますがその通り青がいつまでもいきています 年末に生けたものが途中で水切りをしたりして春まであおくしていますが 流石にその前に終わりにします

その域の長さを称えてこう呼ばれたものでしょう

もう随分前のことですが私が万年青の生け方を教わるときのことですが

「万年青には母葉(ぼば)の教えがあります、、、」

老境のおばあ様先生が一言一言実に丁寧に教えてくれました

 

万年青の実が冷たい霜や雪に晒されないようにと大きめの葉をかざして

保護してくれます これが母葉の教えです 自分が犠牲になっても

子供を守っていこうという日本人の優しい心情ですね

万年青の葉組のややこしさは一度や二度では理解不能ですが

母葉の教えは優しく心に沁みました

以後万年青の手ほどきをするときわたしもこのことを必ず伝えるようにしています 人に対して思いやりの心 優しさの心がどんなに周辺を

明るくするか、、、、

 

今 万年青を生けてお正月を向かえると言う家庭は極少数だと思いますが 否昔はもっと少なかったでしょう

玄関に又は床の間に凛と生けられている万年青の生け花はその家庭に

秩序正しさの精神を漂わせてくれるものとおもいます

 

万年青の生け花は一見質素ですが華やかな花にはない品格と風情があります 日本に伝わって来た古典だと思います

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