2月に咲き始めたボケがやっと切れた
長い時間を要して1輪又1輪と咲いてきた花
庭の隅に真っ赤に燃えるこの花を
毎年眺めてきた
この花は既に故人となった私の兄が
随分昔に植えたもの
「このボケには棘がないからね、、」
そういってニコリとしたあの時の彼の表情が
今でも懐かしい
家を出て広い庭に通じる小さな坂道を登り切った右手の
ニシキギとサンショの間に佇んでいる
真っ赤だ 毎年ここで赤々と燃えている
私はその傍で「今年も咲いてくれたね」と呟く
ボケを扱うには皮の手袋がないと
棘にやられるが
このボケは素手のまま扱える
棘なしだからね、、、
兄の言葉が聞こえそうだ
あまりにも赤だから白椿をいれてみた
ボケはこれからだが 白椿はそろそろ終わりが
近い
今年は白椿をよく生けたが
未だ未練がある
陽にあたった椿の葉の分厚さとその照り
更に白く晒された枝の魅力はことのほか見事です
初嵐(白椿)の細い枝とは違ってダイナミックだ
初嵐の繊細で優しさとは正反対です